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セマタイ・マリオネット財団　北海道ツアー　

Semathai Marionette Foundation

タイの人形劇団との交流をさらに発展させたいと思い、「セマタイ・マリオネット財団」のメンバー３名を北海道に招いて、道内４カ所で公演とワークショップを行いました。

この企画は、札幌の学童保育所、東川町、旭川福祉専門学校、タイの文化芸術の専門家で、彼らの社会活動についての研究もされている北海道教育大学の岩澤孝子先生、そしてセマタイ・マリオネット財団の大きな協力をえて実現しました。

上演されたのは、タイの有名な古典文学を基にした「チャオンゴ」という作品で、国際フェスティバルでも受賞した彼らの代表作です。タイ語で行いましたが、日本語のナレーションも入れて、観客に内容がわかる工夫をしました。

また、児童や学生には、彼らが普段タイで行っている手遊びや、人形操作のワークショップを体験してもらいました。

タイの文化に直接触れる、貴重な経験となりました。

今回、彼らは並行してタイの公共放送PBSの子ども向け番組「PNN（Puppet New Network)」のための撮影取材を、登別、東川、札幌で行いました。

１１月から放送が始まり、取材した内容は順次放映されるとのことです。PBSの公式サイトでもネット配信されていて、視聴することができます。

Thai PBS https://program.thaipbs.or.th/PuppetNews

５月１１日　南栄会館（札幌市白石区）　

学童保育所に通う児童が観劇　タイの手遊びで盛り上がりました　公演後は人形の操り方を体験

５月１２日　東川町複合交流施設せんとぴゅあ２

図書コーナーのスペースを利用して公演　大人と子どもたち、幅広い年代で観劇と操り体験

左：役場に表敬訪問　国際交流員のトゥックさん（右から２人目）が通訳と東川町の案内をして下さいました

中：文化ギャラリーでタイの子ども向けテレビ番組のための取材　右：残雪の旭岳でビデオ撮影　

５月１３日　旭川福祉専門学校　

こども学科、介護福祉科、日本語学科の学生さんたちが観劇　日本語学科のタイ人の留学生が通訳をしてくれました

５月１５日　北海道教育大学岩見沢校　I-HALL　「デモンストレーション・レクチャー　タイの人形劇」

上演に加えて、岩澤先生の解説と通訳で、「人形劇はいかにして地域を変えるか」をテーマとした講演も行われました

第１回国際人形劇場フェスティバル ”おとぎ話の回転木馬”　

the 1st International Festival of Puppet Theatres «Carousel of fairytales»

第５回特別な支援が必要な観客のための国際フェスティバル ”誰もがみんな違っていい”

the 5th International Special Festival for special spectators «It’s not necessary for us to be the same»

　８月２１日〜８月２５日　

　ロシア連邦チュヴァシ共和国チェボクサリ市　

ロシア連邦チュヴァシ共和国は、テュルク系民族チュヴァシ人の国です。首都のチェボクサリは、モスクワから東に約６３０km、ヴォルガ川沿いにある人口約５０万の都市です。

昨年プーケットで開催された国際人形劇フェスティバルで、チュヴァシから来ていた国立人形劇場のディレクターに誘われたのが参加のきっかけです。

事務的なやり取りは、モスクワの劇団が間に入ってくれてスムーズに進み、ビザの申請や作品の準備を進めました。

渡航費の一部を、札幌市の文化芸術振興助成金から助成していただきました。

チュヴァシでは、ロシア国内の人形劇団によるフェスティバルは毎年開かれていましたが、今年がチェボクサリ市誕生550年にあたり、それを記念して、規模を拡大して第１回目の国際フェスティバルとして開催したとのことです。また、毎年、様々なハンディーキャップを持つ子どもや大人のための演劇フェスティバルも開かれていて、今年も同時開催となりました。

参加国はロシア以外からは、香港、ベラルーシ、カザフスタン、キューバ、ドイツ、日本、バングラデシュの７カ国。ロシア国内からはヴォルガ川流域のタタールスタン、ウドムルト、バシコルトスタン、モルドヴィア、マリ・エル、チュヴァシの民族共和国、北コーカサス地方のイングーシ、チェチェン、北オセチアの民族共和国、それにモスクワ、ムイチシチ、ヴォルゴグラード、ウリヤノフスク、ウラジーミル、ヴォロネジといった都市からの参加があり、合計３８作品が５日間に渡って、市内数カ所で上演されました。

ガウチョスは、２つの演目を用意し、屋外ステージ向けには、糸操りの獅子舞や南京玉簾といった大道芸を、劇場ホール向けには、小川未明の「月夜とめがね」を上演しました。

南京玉簾にはロシア語も取り入れ、大いに盛り上がりました。公演の様子がローカルテレビでも放映されました。

https://www.youtube.com/watch?v=20sdU7VvXIA&feature=youtu.be

また、「月夜とめがね」は日本語での上演でしたが、はじめにロシア語でナレーションを入れてもらうなどし、仕込みや準備には十分な時間とサポートをもらうことができたので、ほぼ万全の態勢で上演することができました。

静かで穏やかな情感や、幻想的な雰囲気も伝えられたようで、チュヴァシの年配の人形劇俳優から「真のフェアリーテールでした」と言われ、うれしかったです。

左：モスクワの劇団「リフレクション」の２人　今回のフェスのロシア以外の劇団のキュレーションを担当

中：劇場が手配したバスで、モスクワから１１時間かけてチェボクサリへ

右：朝劇場に到着すると、民族衣装の劇団員が、民族舞踊と伝統のパンと特産のビールで迎えてくれました

国立人形劇場　大小２つのホールがあります　椅子の座る部分が２段と１段になる折り畳み式で、子どもも大人も舞台が見やすい工夫が

左：開会式で劇団員による民族舞踊

中：美しい刺繍が施された民族衣装の劇団員と

右：パーティーで民族音楽アンサンブルによる演奏

ヴォルガ川の河川公園にある屋外ステージでの上演　日本式の手拍子や掛け声で盛り上がりました

目が不自由な子どもたちも、音やリズムで楽しめたと好評でした

大ホールで「月夜とめがね」の上演　前日の準備は、夜遅くまでチュヴァシの若い劇団員が付き合ってくれました

チケットは完売だったそうで、満員の客席から大きな拍手をもらいました

フェスティバルのパンフレットに掲載されたガウチョスの演目

フェスティバルの参加国はほとんどがロシア、または旧ソ連の国々でした。

劇場は国立で、陸路を劇団のバスでやってくるので、人数も多く、舞台も大掛かりで凝っています。

自国の民話もあれば外国のものもあり、その辺はあまりこだわりがないようでした。

色の使い方が素晴らしく、衣装や、舞台装置、人形のデザインが素敵で、言葉がわからなくても、舞台を見ているだけで楽しめました。

北コーカサスや中央アジアのカザフスタン、イスラム教の国の作品は、民族色が濃く、知らない世界の空気に触れるようで新鮮でした。

また、チェチェンの人形劇は、有名なロシア民話「かますの命令」で、お姫様の目から本物の水が何度も噴射されて、その度に会場が沸き、笑いのツボを押さえた、人形劇らしい人形劇。タタールスタンの劇場は、タタール語で上演し、観客は同時通訳のヘッドフォンをつけて観劇していました。国によって見せ方に特色があって、興味深かったです。

日本でよく知られたロシア民話といえば「おおきなかぶ」。その人形劇を、ロシアの劇団の作品で観られたのは貴重でした。

「うんとこしょ、どっこいしょ」のセリフがないので、何かもの足りなさを感じてしまうのがおかしかったです。